裸足で通報された話

裸足散歩、もう完全にマスターしたぜ!
夜も足が冷たくて寝られないなんて、もはや昔話。
今じゃ、足の裏が冷たくなったら、逆に目が覚めるくらいだ!
さて、ある12月の薄曇りの日。
早起きして一仕事終えたのは7時過ぎ。
雨は降りそうにないから、今日も裸足で裏山を歩くことに決めた。
2.5kmを1時間弱、まったりと歩いてやったぜ。

帰ってきて、ご飯を作って食べた後、もう一仕事終わらせて、
そろそろ出かけようかなと思ったその時、
「すみませーん」と外から聞き慣れない男性の声。
はい?と応えて外に出てみると、そこには制服を着た警官が立っていた。
警察「実はエンジの上着を着た男性が裸足で歩いていると通報がありまして」
俺「はぁ?」とエンジの服を着たままの俺。
警察「7時過ぎに裸足で歩いていたのは貴方ですか?」
俺「はい、それが何か?」
警察「実は認知症の人がボケて山に入って行ったんじゃないかと、自衛隊にも声をかけて山狩りすることになったんです。」
ええっ〜!?なんで俺がそんなことに巻き込まれるんだよ!
どうやら、1ヶ月前に駅前の家から行方不明になった認知症の老人がいて、
警察が散々探しても見つからなかったらしい。
1週間後にもうココしか無いってんで自宅の裏山を捜索したら、
動けない状態で生きて見つかった事件があったんだと。
最近、裏山で自殺した人もいたとかで、
なんだかこの裏山呪われてるのか!?となったようだ。
お巡りさんがウチに来たのは、近所の人に聞き込みした結果、
「よく裸足で歩いている人があそこに住んでるよ。」って言われて事情聴取に来たわけだ。
山狩りになると、警察じゃなく自衛隊の仕事になるらしい。
まさか、俺が自衛隊に追われる日が来るとはな!
そんな話を聞いているうちに、目の前をパトカーやら関係車両が通り過ぎていく。
山狩り、マジで始まりそうだよ。
裸足で歩いて何が悪いんだと思っていた俺も、さすがにちょっと恐縮しちゃった。
通報者に確認するために写メを撮られて、名前と生年月日、電話番号を書かされて、
とりあえず通報者が見たのは俺に間違いないってことで解放された。
俺、無実の罪で逮捕されるところだったぜ。
お巡りさんには裸足の効果がすごいことを説明したんだけど、
返ってきた返事は
「足柄山の方はいいですが、裏山は裸足で歩かないでください」
また通報があったら迷惑だから自重しろってことか。
洒水の滝の方も管轄だからダメだよな。せっかく健康に良さそうなのに…。
そうだ!一人で歩いているから徘徊と間違われるんだ。
二人で裸足で歩いていたら、変わり者だとは思っても、通報する人はいないだろう。
先週、離婚成立してフリーになったから、裸足で一緒に散歩してくれるパートナー急募!
(女性限定)
さあ、どなたかこの裸足男と一緒に山を駆け抜けてくれ!