蟲と共に生きる:プレハブ生活のリアル

ナウシカの話じゃないんだ。これは俺の住処の話だ。
俺が住んでいるのは、工事現場でよく見かけるスーパーハウス、
つまりプレハブの事務所だ。
雨や風、夜露からは守ってくれるが、
どこからともなく虫たちが侵入してくる。
 
特に、小さなアリたちだ。
白い机の上を気がつけば徘徊している。
お菓子のかけらが床に落ちていれば、
いつの間にか彼らの行列ができている。
 
甘いジュースの飲み残しを洗わずに放置していると、
アリが集ってて驚かされることになる。
マジかよってコップを覗き込むと、
コガネムシが入っていて二度びっくりだ。
 
夜になると、どこからともなくカナブンがやってきて、
照明の周りをブンブン飛び回る。
うるさいったらない。
先日はセミまでもが訪れた。
 
カメムシも侵入してくる。
こいつらは人がいようがいまいが、全くお構いなしに突進してくる。
潰すと臭いから放置するしかない。
 
そんなわけで、21時には電気を消して寝てしまうことにしている。
ちなみに、天井から寝床まで63センチのロフトベッドは、
蚊帳のバリアに守られた絶対安全空間だ。
 
台所は外にある。
使った食器は洗ってカゴに入れて乾かしているが、
カレーを食べた後に洗いが足りないと、使う時にアリが集ってびっくりだ。
 
以前は、家の中に虫がいれば殺虫剤でシューッとしていたが、
ここでは基本的に机の上を徘徊するアリを指で潰すのと、
窓を開けても逃げない虻にシューッとするくらいだ。
 
隙間だらけのおれんちは、
「家に入ってくる虫」というより「虫の世界の中の家」という感じだ。
自然の中に住まわせてもらっている、
そんな風に感じる。
 
虫を敵とせず、虫と共に暮らす。
ただ、ゴキだけは生理的に友達にはなれそうもないな。